贈り物に添える「のし紙(かけ紙)」の基本から、慶事・弔事それぞれの使い分け、表書きや水引の選び方、内のし・外のしの対応まで丁寧に解説します。
のし紙とかけ紙とは?違いと意味

のし紙とかけ紙は日常的にはほぼ同義で使われますが、厳密には違いがあり、用途に応じて使い分けることが礼儀です。
一般に「のし紙」とは、のし(のしあわびの意匠)と水引が印刷された贈答用のかけ紙を指し、慶事に用います。一方「かけ紙」は広義で、水引のみが印刷された弔事用のものも含みます。


贈り物の場面では、慶事にはのし紙(のし付き)を、弔事やお見舞いではのしのない水引のみのかけ紙を使うのが基本です。現代では印刷で用意されたものが多く、贈る相手と場面に合わせて適切な種類を選ぶことが大切です。
のし紙の基本マナー
のし紙を用いる際の基本は、表書き・名前の書き方・筆記具の選択です。
表書きは用途に応じた言葉を中央上部に、贈り主の氏名は下段中央(法人は社名)に揃えて書きます。個人で贈る場合や目上の方への贈答はフルネームで記名するのが丁寧です。
筆記具は毛筆や筆ペンが望ましく、万年筆やボールペンは避けます。
連名で入れる際は、代表者名を中央に、左右に続けて年長順に記すのが一般的です。贈る際は表書きと名前のバランス、墨の濃さ・字の崩れに注意し、読みやすく丁寧な文字で気持ちを伝えましょう。
水引の種類と意味
水引は形や本数、色によって意味が異なります。
紅白もろわな結び(蝶結び)は何度あってもよい慶事(出産・お中元・お歳暮)に用い、紅白ま結び(結び切り)は一度きりで良いこと(結婚・快気祝い等)に用います。本数も慶事では奇数(3・5・7本など)が一般的で、贈る相手や地域慣習により本数の選び方が変わるため注意が必要です。
弔事では黒白や双銀の水引を使用し、落ち着いた色調と結び方で弔意を示します。水引は見た目の美しさだけでなく、贈り主の気持ちを表現する重要な要素です。
内のし・外のしの使い分け
内のしと外のしは、贈り方や配達方法で使い分けます。
手渡しの場合は外のし(包装の外側にのし紙をかける)が礼儀で、相手に見える形で「お祝の意」を示せます。配送や宅配で贈る場合は、配送伝票によりのしが汚れたり剥がれたりするため、箱にのしをかけてから包装する「内のし」が一般的です。
迷ったときは相手の受け取り状況を考慮して選ぶとよいでしょう。
シーン別のし紙の選び方と表書き
のし紙やかけ紙の選び方に迷う際は、贈るシーン別に表書きと水引を整理すると選びやすくなります。以下は三越伊勢丹のギフトサイトでお選びいただける代表的な用途とおすすめの表書き・水引です。贈る相手や地域の慣習を踏まえて選択してください。
※時期によって、お選び頂けない「かけ紙」があります。
※冠婚葬祭のマナーは地域、慣習によって異なる場合があります。
お祝い
御祝 紅白五本もろわな結び(蝶結び)

◇慶事全般のお祝いに
蝶結びの水引は、片方の水引を引くとほどけ、再度結ぶことができることから、何度も繰り返されて欲しい「慶事一般のお祝い」に使います。何度あってもいいお祝いには、また結びなおすことのできるもろわな結び(蝶結び)を選びましょう。
壽(ご結婚御祝用)紅白十本ま結び(結び切り・婚礼関係)

◇婚礼・結婚の祝いに
壽(紅白十本ま結び)のかけ紙は、結婚祝いを贈る時に使います。人生に一度限りのお祝い事という意味で、一度結んだらほどけることのないま結び(結び切り)のものを使います。
結婚のお祝いは、挙式1週間前までにご自宅に贈るのが礼儀です。親しい関係であれば、贈り物の重複も避けられるため、予算をあらかじめ知らせて、相手の希望を聞くとよいでしょう。結婚する二人が親と同居か、別世帯かも確認すると贈り物選びの手助けになります。
また、結婚式の引出物(結婚式の招待客へ贈る品)にも、一般的に「壽」を使います。メインの引出物には両家の姓を書き、引菓子には新郎新婦の名前を書く場合があります。
目上の方へは表書き・氏名ともに正式な書式で整えると印象が良くなります。
お祝いのお礼(御礼・内祝)
内祝 紅白五本もろわな結び(蝶結び)

◇出産祝い・長寿祝い・入学祝い・新築祝いなど、何度あってもよいお祝いのお返しに
一般的な慶事のお祝いのお返しの名入れには、贈り主の姓または姓名を書きます。
「出産祝いのお返し」の場合は、赤ちゃんの名前を読み仮名と共に書きます。
【入力例】
大翔(ひろと)
御礼 紅白五本もろわな結び(蝶結び)

◇何度でも繰り返されてほしい慶事の「御礼」に
もろわな結び(蝶結び)ののし紙は、片方の水引を引くとほどけ、再度結ぶことができることから、何度でも繰り返されて欲しい慶事の御礼にお使い頂けます。
※結婚祝いのお返しはま結び(結び切り)の水引がかかった「内祝」を使用します
内祝(結婚内祝用)紅白十本ま結び(結び切り・婚礼関係)

◇結婚祝いのお返しに
結婚祝いのお返しには、ま結び(結び切り)の水引がかかったのし紙を使います。頂いた結婚祝いの半額程度を目安に内祝いを贈ります。名入れは「二人の名前」を連名で書きます。
季節の贈り物(お中元・お歳暮など)
御中元

7月の初めから15日まで、または8月1日から15日までに贈ります。お中元の時期は地域によって異なります。近年では6月下旬から御中元を贈る方も多くなっています。
暑中御伺

7月16日から8月7日頃の立秋の前日までに贈る場合、暑中御伺のかけ紙を選びましょう。御中元に間に合わなかった時にも便利なかけ紙です。
残暑御伺

8月7日頃の立秋から8月末までお使いいただけるかけ紙です。
御歳暮

12月初旬から12月25日頃までに贈ります。最近では、11月下旬から贈る方も多くなっています。
お年賀

三が日を過ぎて、仕事始めの日となる1月4日から15日頃までお贈りする年始のご挨拶に。基本は、松の内(1月7日まで)にお贈りするとよいでしょう。
寒中見舞

お年賀で贈るのは都合が悪い場合には「寒中御伺」として、松の内(関東では1月7日、関西では1月15日)を過ぎてから、立春の前日(2月4日頃)までにお贈りしましょう。
一般的な贈り物
包装のみ(慶事用)

◇一般的な贈り物に
包装紙で丁寧にお包み致します。のしやリボンは使用しません。
無地のし 紅白五本もろわな結び(蝶結び)

◇ちょっとした贈り物や手土産に
無地のしにもろわな結び(蝶結び)の水引がかかったお包みです。年間を通じて、贈り物やギフトにお使い頂けます。ちょっとした気持ちを贈りたい時に便利なのし紙です。
もろわな結び(蝶結び)は、片方の水引を引くとほどけ、再度結ぶことが出来ることから「何度でも繰り返されて欲しい慶事一般の贈答」にお使い頂けます。
※婚礼、病気見舞い、弔事などには使用いただけません。
ギフト包装にシールを貼付

◇ちょっとした贈り物に
ギフトを包装紙でお包みした後、シールを添付してお届け致します
こころばかり 紅白五本もろわな結び(蝶結び)

◇ちょっとした贈り物に
「わずかなものですが」という気持ちを伝えたい時に便利なかけ紙です。何度あってもよいお祝い事や一般的な進物で贈る場合や、返礼の場合で堅苦しくなく「ちょっとした気持ち」を表したい時にお使いいただけるかけ紙です。相手に負担をかけたくない時に用いるとよい言葉です。
お見舞い・お見舞いのお礼
お見舞いのお礼(快氣祝・御見舞御礼)

◇退院をした報告やお見舞いに対する御礼を贈る時に
快氣祝いには、病気やけががすっかりよくなり退院をした報告と、お見舞いに対するお礼の意味があります。「病気は二度としたくない」「再び病気を繰り返さないように」との願いを込めて、水引は「紅白五本ま結び(結び切り)」を用います。
また「病気が残らないように」という願いから。食べ物や消耗品など、使った後に残らない物でお礼をするケースが多いです。
【好適品】お菓子、果物、ジュース、ビール、食品セレクトギフト、洗剤、石鹸など
病気から回復した報告と併せて、お見舞いの品を頂いたことへのお礼を一言添えるとより丁寧な印象になります。
弔事・おくやみごと(通夜や法要の引き物・法要の御礼・ご返礼)
志 黒白五本ま結び(結び切り)「仏式」の四十九日以降に

◇香典返しなど、一般的な弔事返礼に
「志」は一般的な弔事返礼に用いることが多い表書きです。仏式の香典返しの場合は、忌明け法要日以降に返礼品を贈ります。四十九日の忌明け法要までは、喪中ですので、礼状や香典返しも控えます。
香典返しは「お蔭をもちまして四十九日の法要を滞りなく相営み忌明けしました」という挨拶でもあります。
※香典返しの目安は、一般に半返しと言われます。実際に、香典の三分の一から半分を返す方が多いようです。
満中陰志 黄白五本ま結び(結び切り)

◇関西を中心に、七十七日忌後の香典返しとして
関西地方を中心に、七十七日忌後の香典返しを中陰(四十九日)が満ちたとして「満中陰志」という表書きを使う場合があります。水引きは黄色と白になります。
「お蔭様で無事『満中陰志』を迎えました」という感謝の気持ちを表します。
※香典返しの目安は、一般に半返しと言われます。実際に、香典の三分の一から半分を返す方が多いようです。
お供え
包装のみ(弔事用)

◇お供えなど、お悔やみ事に際した贈り物に
弔事用包装紙で包装いたします。
のし紙に関するよくある質問
Q1:のし紙とかけ紙は何が違うのですか?
のし紙はのし(のしあわびの意匠)と水引が印刷された慶事用のかけ紙を指します。かけ紙は広義で水引のみの弔事用も含みます。用途に合わせて使い分けるのが礼儀です。
Q2:宅配で贈る場合は内のしと外のし、どちらが適していますか?
配送時はのし紙が汚れたり破損したりする恐れがあるため、一般的には内のしが適しています。
Q3:連名で入れるときの正しい書き方は?
連名は立場や年齢の高い方を中央から左へ順に書きます。一般に3名程度までが見栄えよく、人数が多い場合は代表者名+「他一同」とする方法が一般的です。企業で贈る場合は会社名を中央に記します。
贈り物選びには、のし紙・かけ紙の対応が充実した三越伊勢丹のギフトを
のし紙やかけ紙は場面に応じた正しい選び方が重要です。三越伊勢丹では慶事・弔事それぞれに対応したのし紙・かけ紙をご用意しており、包装や表書きのご指定も承っております。大切な方への贈り物は、三越伊勢丹の丁寧な対応に安心してお任せください。
まとめ
のし紙・かけ紙は見た目以上に「贈り主の心遣い」を伝える重要な要素です。用途に合わせた水引の選択、内のし・外のしの使い分け、表書きと名前の書き方を押さえることで、失礼のない贈答が実現します。
「ものを贈る」とは「こころを贈る」ことでもあります。相手を祝福したり、慰めたり、謝意を表したり、三越伊勢丹のギフトサービスで贈り主の誠意とまごころがつたわるような言葉(用途)をお選びください。


